週2回バイトしている音楽バーは、深夜2時に閉店する。
店は46年の老舗、マスターDJも69歳の高齢となり、
季節の変わり目になると体調の波があるようで、
このごろはあまりお店に出てくれなくなり、
このごろはあまりお店に出てくれなくなり、
ママとスタッフ1名の2人だけで頑張ることが多い。
先日は、うっかり夕飯をとりそこねて18時半入り、
先日は、うっかり夕飯をとりそこねて18時半入り、
そのままバタバタして閉店まで空腹のままだった。
こういうときに嬉しいのが、
店の目の前にある、和食喫茶だ。
こっちはちょうど深夜2時に開店する。
店は44年目、名物ママは68歳。
厨房には69歳のお父さんがいて、
町のみんなのためにおいしいご飯を作ってくれる。
町のみんなのためにおいしいご飯を作ってくれる。
この日も閉店後、あまりにお腹がすいて、
和食喫茶にかけこんだ。
今夜の「500円サービス定食」はオムレツ!
こんばんはー・・・と扉を押し開くと、
からからからんとベルが鳴り、いつものママが・・・
と思ったら、いきなりテレビカメラがこちらを向いており、
もこもこしたでかいソーセージみたいなマイクをむけられる。
NHKの撮影クルーだという。
和食喫茶から、街の人間模様を追っているらしい。
聞けば、地上波でかなり観られる時間帯のドキュメント番組だった。
「そうですか。じゃ、帰りまーす!」
あわてて踵を返そうとしたけれども、
「あっ、こちらさんはね、目の前の46年やってる店で…」
なんて感じで捕まって、腕章をつけたクルーに取り囲まれてしまい、
そのまま、
そのまま、
深夜2時にオムレツを注文するところも、
深夜2時に割り箸を割るところも、
深夜2時に割った箸をかるく味噌汁につけて啜るところも、
深夜2時に割った箸をかるく味噌汁につけて啜るところも、
深夜2時にオムレツにかぶりつくところも、
深夜2時に「ママ、マヨネーズちょうだい」と頼むところも
あますところなく撮影されてしまった。
しまいに
しまいに
「この時間にあたたかいお味噌汁と、ふっくらしたご飯が
食べられるお店はなかなかないし、ホッとしますよね」
深夜2時にサービス精神が出て、コメントまでしてしまった。
深夜2時もやばいが、わたしは箸の使い方が下手なので、
こんなのもし使われたら恥ずかしいなあという気持ちでいっぱい。
オムレツなんか食べた気がしなかった。
こんなのもし使われたら恥ずかしいなあという気持ちでいっぱい。
オムレツなんか食べた気がしなかった。
翌日はうちの店のほうへ取材が入ったらしい。
「46年の音楽バー・深夜2時閉店」と「44年の和食喫茶・深夜2時開店」
という組み合わせがおいしいのかもしれない。
「46年の音楽バー・深夜2時閉店」と「44年の和食喫茶・深夜2時開店」
という組み合わせがおいしいのかもしれない。
ディレクターに「昨夜のスタッフさんはいないのか」と
聞かれたそうだけど、行かなかった。
聞かれたそうだけど、行かなかった。
深夜2時にオムレツ食べる姿をNHKで流されるだけでもやばいのに、
これで顔を出したら・・・
これで顔を出したら・・・
サービス精神からまたオムレツ食べてまうやろー!
いつもは、まっすぐ家に帰ってすぐに寝るのよ。
深夜にオムレツ食べるなんて滅多にないことなの。
この日は、どーしてもお腹が減りすぎて、耐えられなかったという、
例外中の例外なの。
さ。ライジングの原稿にもどろーっと・・・。